天白の蝶

ウラギンスジヒョウモン
以前は天白公園などでよく見られたのですが最近では公園化が進み、ほとんど見られなくなってしましました。名古屋では6月に成虫になり、暑い夏の間夏眠すると思われます。そして涼しくなるとまた活動をはじめ、タチツボスミレなどに産卵し幼虫で越冬します。

ウラギンスジヒョウモン 

ウラギンスジヒョウモン♀
ミドリヒョウモン
上記のウラギンスジヒョウモンと同じく、草原性の蝶で6月ごろに羽化し、暑い夏の間夏眠すると考えられていますが、涼しい高山に移動することもあるらしく、はっきりとは分かっていません。この辺りでは秋ごろに家庭菜園などでよく見かけますが、年によって多い少ないがあります。

ミドリヒョウモン♂

ミドリヒョウモン 

ミドリヒョウモン♂ (裏面)

ミドリヒョウモン♀(裏面)
ツマグロヒョウモン
初夏から秋にかけて住宅地でも一番よく見かける蝶の一つです。もともとは南方系の蝶で、以前はこの辺りでもほとんど見ることの出来なかった蝶です。地球温暖化の影響もあり北上を続けるとともに、食草(幼虫の食べる植物)が園芸種のパンジーなども利用するため、うまく街中の環境に適合した種だといえます。

ツマグロヒョウモン♂

ツマグロヒョウモン♀
アサマイチモンジ
世界でも日本の本州にしか見られない蝶ですが、それほど珍しい種ではありません。野並方面では観察していましたが、平針では今まで一度も見たことがありませんでした。ところが06年8月24日に荒池にいくと、なんとこのアサマイチモンジが荒池の護岸に止まっているではありませんか。この30年あまり通い続けていても気がつかなかったことに驚いています。
似た蝶にイチモンジチョウというのがいますが、この辺りではまだ確認していません。幼虫はスイカズラなどの植物を食べます。

アサマイチモンジ 

アサマイチモンジ♀
ホシミスジ
このホシミスジは以前は天白では全く見ることのできない蝶でしたが、2010年ころから観察できるようになり、今ではこの仲間では一番目にする蝶となりました。その昔は猿投辺りまでいかないとみることができない珍しい蝶でした。この蝶の食草はユキヤナギで、近年公園や緑道などに多く植えられたことからそれらを伝って広まったのではないかと思います。
 
コミスジ
私がこの30数年間観察を続けていて、天白で初めて観察することが出来た蝶です。2007年7月27日荒池を散策中、雑木林で偶然発見したものです。もちろん珍しい蝶ではありませんので、このあたりでもいると信じつつも、見かけることができなかった蝶です。幼虫は、主にマメ科のクズなどを食べます。
ルリタテハ
表は瑠璃色に輝く美しい蝶ですが、裏面は黒っぽく樹に止まっていると目立たない蝶です。幼虫はサルトリイバラなどを食べ、成虫は家庭菜園など花や、動物の死骸や排泄物などいろいろなものを摂取します。成虫は古家の隙間や雑木林の繁みで越冬して、春に産卵し世代を交代します。

ルリシジミ

ルリシジミ(裏面)
キタテハ
天白川や雑木林でよく見る蝶で、裏が黄色く見えるところからキタテハ呼ばれています。夏に出現するものと、秋に出現するものでは翅の形が違い、秋型は翅の出っ張りが鋭くなり、色彩も濃くなり模様がはっきりした感じになります。この蝶も成虫で越冬します。幼虫はクワ科カナムグラを食べます。

キタテハ(秋型)

キタテハ(夏型裏面)
ヒオドシチョウ
6月に羽化し、暫くすると越夏するらしく姿を見かけなくなってしまいます。そして翌年春暖かくなると同時に雑木林で姿をあらわし活動を始めます。夏から秋にかけてどのような生活をしているのか不明な点が多く、身近な蝶でありながら神秘に包まれています。