大堤池

                                               2007・1・24
以前から問題になっていた大堤池の浚渫工事がこのほど終了しました。昨年行なわれた1期工事のあと、今回の2期も終了し、大堤池も新しく生まれ変わりました。

この大堤池は平成13年ごろ数箇所にホテイアオイが繁殖し始め、数年で水面を埋め尽くしてしまいました。水面に浮いている状態ではそれほど繁殖しませんが、いったん地に根が届くと数十倍にも異常繁殖を始めるのです。それが晩秋の霜により枯れ、汚泥として堆積し、異臭を放すとともに、ほとんどの水面を消失させてしまったのです。水鳥や魚すらもまともに泳げない状況が続いていました。

この大堤池は天白でも屈指の水生昆虫の宝庫です。近年の観察でもコオイムシ、ヒメカマキリのほか、イトトンボのなかまだけでも9種に及びます。環境もけしてよいわけではありません、民家側では生活排水が流れ込み、生き物の種類も非常に少なくなっています。かろうじて桜並木沿いが葦原などによる植物の浄化作用によって生息環境が保たれているのです。

このような浚渫工事を行うと生態系に大きなダメージ与えることは確かですが、時間とともに復活してもらえることを願っています。ただ、魚類や鳥類だけに目を向けるのではなく、それらを支える小動物の生態を念頭に入れた整備を行わなくてはなりません。


近く、下水道が整備され生活排水が流れなくなるそうですが、人間の生活環境がよくなると住宅化が急速に進む恐れがあり、どちらが自然環境にとっていいのか難しいところです。
とりあえず、今後も動植物の行方を観察していきたいと思います。

昨年の観察ではアオモンイトトンボ・モノサシトンボなど全く確認する事ができませんでしたが、今年もこまめに観察を続け、結果を報告したいと思います。

蘇った大堤池

浚渫工事が終わった2007・2・20の様子

浚渫工事
一昨年末より2期に分けて進められていました、大堤池の浚渫工事がこのほど終了しました。浚渫工事は雨の少ない冬場に行なわれ、一期工事では堆積した土砂やヘドロを取り除き、池サイドに積み上げ水抜きを行なっていました。そして今冬の2期工事では、池底を整備し、積み上げられていた土砂を運び出し、工事が終了となりました。
土砂を取り除く一期工事

昨年積みあげられた土砂

平成17年9月の様子(水面がほとんどない)

昨年の初夏の様子
一期工事で土砂が取り除かれ、桜並木が水面を映しています

ベニイトトンボ 2006・6・7

スイレン

アオモンイトトンボ

キイトトンボ

以前、下の写真のようにホテイアオイの異常繁殖により、水面が埋め尽くされていました

ホテイアオイの花

平成15年ころ、ホテイアオイで埋め尽くされる

水面に浮くホテイアオイ

地面に根を下ろすと膨らんだ部分がなくなる
ホテイアオイというと「布袋さん」のおなかのようにぷっくらと膨らんでいるのが普通なのですが、それは水面に浮いていての話です。いったん浅瀬に根を下ろしてしまうと、膨らんだ部分が消失し、茎が長く成長し異常な繁殖を始めるのです。右上の写真では分かりにくいかもしれませんが、7〜80センチほどの背丈となって猛繁殖します。何度か、子供達やボランティアの方々による除去作業が行なわれましたが、あっという間に水面を埋め尽くしてしまいました。