ヒメボタル
                                      2009・5・25
今年も叉相生山緑地のヒメボタルのシーズンがやって来ました。小さなホタルでありながらチカ・チカと強い黄金色の光を放す、とても魅力あるホタルです。ただし、光る時間帯が午後9時ごろから深夜にかけてとなるため、見に行くのもちょっと大変です。

場所は相生緑地であれば、ほぼすべての地域で観察する事が出来ます。ただし、最高のイルミネーションの世界が見られるのは数日でしょう。運よくその世界に遭遇できた方は本当に幸せです。


ホタルで話題になるゲンジボタルは水生(幼虫時代を水中で過ごす)ですが、相生山に生息するのはヒメボタルという陸生のホタルです。ヒメボタルは、豊かな里山に残る落葉樹林や草むらの腐葉土に棲むオカチョウジガイやキセルガイを餌としており自然環境を見極めるバロメーターともなっています。

最近ではゲンジボタルなど観察地といっても、幼虫を育て放流するところも多く、真の生息地とは言いがたいところもあります。その点、ここ相生山緑地のヒメボタルは正真正銘の自然発生と言えます。それもこれだけ大規模な生息地は私の知るところでは見当たりません。

餌となる陸生の貝についても調べてみましたが、雑木林が荒れているところも多く、乾燥化も進んおり、先行きが危ぶまれます。この緑地では、外来種のトクサオカチョウジガイやベッコウマイマイの他、キセルガイが多く見られます。これらの小さな陸生の貝を幼虫時代に4〜50頭ほど食べて成虫になり、成虫の寿命は雄で10日ぐらい、雌では3日ほどというはかない命です。雌は飛ぶことが出来ず、光を放して雄にラブコールをおくり、雄もそれに応えながら雌のところに舞い降りるのです。何とロマンチックではありませんか。

ホタルの生息環境

ヒメボタル♂(9mm)

ヒメボタル♀

雄は発光体が2段

雌は発光体が1段で小さく、体が丸っこい
触ると頭を内側に倒し、死んだまねをします。でも暫くすると動き始めます。
相生緑地にはヒメボタルの餌となるトクサオカチョウジガイをはじめ、キセルガイなどの小型の貝が腐葉土を住処として生息しています。
 
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