コオイムシ(子負い虫)

子負い虫と聞けば、皆さんも1度は図鑑などで目にしたことがあるのではないでしょうか。お父さんが卵を背負って泳ぐ姿はなんとも奥ゆかしいではありませんか。お母さんも産んだらお父さんにまかせっきりという訳ではないのでしょうが、自分の背中に産卵することは出来ませんものね。

人間は一番進化しながら一番子育てに手のかかる動物かもしれません。昆虫の場合、ミツバチやアリのように集団社会を作り子育てをするものもいますが、ほとんどが幼虫の餌となる植物やその近くに産卵し、子供を見ることなく親は死んでいきます。

子負い虫の場合、危険な卵の時期を守ることと、水草などに産むと気象条件により、卵が水中からはみ出し乾燥して死んだり、叉逆に水深が深くなると孵化した幼虫は溺れ死んでしまうのです。お父さんの背中であればそれが自由に調整できるわけですね。上手く考えたものですね。
                                                     2004年5月7日


コオイムシが生息する大堤池


水草のある生息環境

70個もの卵を背負う雄

成虫は大きく翅があるのですぐ分かります

成虫と2齢幼虫