天白の蝶

アゲハチョウ科

アゲハチョウ(揚羽蝶)
モンシロチョウと同様に誰もが知っている親しみある蝶ではないでしょうか。このあたりでは年に4回ほど世代を繰り返し、春先から晩秋まで見ることが出来ます。幼虫はミカンやカラタチの葉を食べて育ちます。蛹で越冬し春に羽化したものを春型とよび、小型で明るい色をしています。この春型以後に産卵され成虫になったものを夏型とよび、形も一段と大きく立派になります。
庭にミカンの樹があると、必ずと言っていいほど卵を産み付けていきます。私の家でも小さな鉢植えに次から次へと産卵し、直ぐに餌不足になってしまいます。
        (蝶のしらべ「あげは」)を参照
アゲハチョウ
アゲハチョウ(ナミアゲハ)春型♂

アゲハチョウ夏型♂

アゲハチョウ夏型♂

アゲハチョウ夏型♀
キアゲハ(黄揚羽蝶)
アゲハチョウに似ていますが前翅の模様が少し違い(前翅の眼の近くの部分に筋が入ってない)、色彩的にも黄色が味が強くなります(特に春型)。住宅地ではあまり見ることはありませんが、幼虫はニンジンやセリなどを食べるので田畑の残るところではよく見られます。このあたりの家庭菜園に植えられたニンジンの葉が丸坊主にされているのを見かけます。また、キアゲハは寒冷地で多く見られ、南方ではアゲハチョウの方が多くなります。

キアゲハ(夏型)♂
キアゲハ(夏型)♀
クロアゲハ(黒揚羽)
このあたりで、黒いアゲハを見かければほとんどがこのクロアゲハです。元来、森の中を好む種で、幼虫はイヌザンショウなどを食べるのですが、最近は栽培種のミカンを利用するもとも多く、街中の家庭菜園などでもよく見かけます。夏には時折天白川で吸水する姿を見かけます。

クロアゲハ♂

クロアゲハ♀
オナガアゲハ(尾長揚羽)
クロアゲハに似ていますがスマートな体形で、どちらかと言うと森に棲む蝶です。最近相生山緑地でよく見かけるようになりました。

オナガアゲハ ♂

オナガアゲハ♀
ナガサキアゲハ(長崎揚羽)
名前のように南方系の蝶で5・6年前までは全く見られなかった蝶です。地球温暖化のせいでしょうか、最近ではよく見かけるようになり、天白でも生息を確認していますこの蝶の幼虫も栽培種のミカンを利用し、5月と9月ごろに多く見られます。
カラスアゲハ(烏揚羽)
平針では見たことがありませんが、天白公園や戸笠池・相生緑地では普通に見ることが出来ます。

ナガサキアゲハ♂

カラスアゲハ♂(春型)
モンキアゲハ(紋黄揚羽)
この蝶は後ろ翅に薄黄色の紋があり大型でとても美しい蝶です。あまり見かけない蝶ですが時折、庭の花で吸蜜する姿を見かけます。一般的に蝶は北に行くほど小さくなる傾向にあるのですが、この蝶は逆で、北に行くほど幼虫期間が長くなり大きくなります。現在この蝶の北限である群馬県産(♀)が日本産蝶類の最大種とされています。
アオスジアゲハ(青筋揚羽)
アオスジアゲハの食草(幼虫時代の食物とする植物で、樹の場合食樹ともいいます)はクスノキです。クスノキといえば「名古屋の樹」に指定されており公園や街路樹に多く植えられているため、これらを利用し栄のど真ん中でも見ることの出来る蝶です。クスノキは防虫剤(ショウノウ)の原料となる樹で、ほとんどの昆虫は食べないのですが、あえてそれを利用することで食物の確保を優位にしているのかもしれません。

モンキアゲハ♂

アオスジアゲハ♀