前蛹




前蛹と聞いてもピンとこないかもしれませんが、字のごとく蛹になる前の準備です。

終齢幼虫は4・5日すると蛹になる場所を探し始めます。場所が決まると、体を尾の方からだんだん縮めていき、尾端を固定した後、体に糸を張り固定します。
今までの幼虫とは形もすっかり変わり、大きさも相当小さく見えます。


糸を紡ぎ体を固定しているところです

体を固定し「く」の字型のポーズのなります
                      
 2日ほどすると表皮がからからに枯れたようになり、その皮を脱ぐと下のような美しい蛹となるのです。

蛹の色は緑系と茶系があり、周りの色に合わせると聞きますが、春ごろ蛹になったものはほとんど緑色系になり、秋に蛹になるものは茶系になります。
周りの色よりも台座となるものの質感により(ゴツゴツ・ツルツル)色が変化すると発表した研究者もいますが、私が見る限りでは、同じ台座であっても色を換えると蛹の色も変化する場合があります。毎年うちの鉢植のミカンから
30頭ほど旅立って行きますが、これらの観察からもやはり周りの色に関係することは確かです。
蛹になり2週間あまりたつと、早朝に蛹の色が急に変化を始め、数時間たつと写真のように黒ずんできます。
右側の写真は拡大したものですが、よく見ていただくと透けて中の翅が見えています。こうなると羽化間近でもうすぐ成虫の誕生です。 
 ただし、蛹の色や、季節によっては表皮が厚くなり中が透けて見えにくい場合もあります。